死んじゃった

【訃報】
■小西甚一さん９１歳＝筑波大名誉教授、比較文学専攻
小西甚一は、日本文学・比較文学者。専攻は日本中世文学。
享年91歳。合掌。

【雑記】
代表作『日本文学史』は間違いなく名著。文学好きでなくても通読をお勧めします。
講談社学術文庫でも読めます。

よい本は自分の中に世界が広がります。
小西先生の『日本文学史』を読んだ誤読上等な私感メモ。

日本文芸の歴史は「雅」の文芸と「俗」の文芸という二項対立と、
「雅・俗」を分けない「俳諧」とで説明できると云った様な趣旨で書かれている。

「雅」は、「貴族」、「ハイカルチャー」、「完成」の同義として扱われ、
「俗」は、「大衆」、「サブカルチャー」、「未完＝無限」と同義と仮定され。
「俳諧」は、「流浪者・芸人」、「カウンターカルチャー」、「未完＝破壊」、「風刺・笑い」といったところか。

 時代ごとに大雑把に説明すると、古代では日本に特有の「俗」があらわれ、
中世には、「雅」が覆って「俗」が浮かび上がれず、
近世には別種の「俗」が登場して、近代に向かってそこに「雅」が引きこまれていった。　

そして現代では、「雅」も「俗」も別の「なにか」に牛耳られているのではないか。
「なにか」は「経済」や「マスコミ」などにも置き換え可能だが、
本当にそれが何なのかはわからない一物。
現状では、「俳諧」だけが価値転覆の可能性を秘めるのではないか。

【雑記】
うちのお店のコンセプトは、「俳諧」。
生活や笑いや反抗が、ぼかぁ好きだな。

【雑記】
死ぬまでに本でもだしたいな、
悪名高い新風舎や文芸社などではなく
全て自分（達）でつくるセルフ出版で。
やはり生きているからには、
形を残さないと。
それがいいか悪いかは別として。

【雑記】
今日、吉祥寺古本屋仲間の、
すうさい堂さんに偶然ディスクユニオンで会い、
その後ＣＤを借りた。

「夜のワーグナー」もしくは「歌謡界のカール・ゴッチ」藤本卓也も個人的には嬉しかったけど、
寺山修二が企画し、J.A.シーザーが音楽を手がけた、おかまによるおかまのための音楽
「薔薇門」も以前気になっていただけに嬉しいモンですたい。
今日は、雨でお客さんも少ないだろうし早速店で聞いている。