サーチャーズ ２．０

吉祥寺バウスシアターにて『サーチャーズ　２．０』を見たのはもう先月のこと。

バウス３の少し縦長で窮屈な空間（あの感じが好きなのです。）に、いきなりアメリカ西部の風景、手持ちで車からの映像は不安定に揺れ、それに似つかわしくない勇壮とした音が劇場内をより不均一なものにする。

僕はデジタルの映像とかなり手を抜いたカットに親近感を覚えつつも、矢張り覚めやらぬ興奮を抱えていた。
隣のおじさんはお酒臭い上にぶつぶつ一人ごちていた。

そんなこんなで映画は終わった。アメリカ的なジョークだとか皮肉だとか、飛び交う往年の銀幕スターの名、名作と謳われた数々の作品、その全部が分かっただけではなかったが、というかほとんど分からなかったが、知っている名前が出てきたときに何故かにやけてしまう自分はもうサーチャーズの世界に入っていたのだろう。
それとエンドクレジットが流れている時のカットに、本編とは関係ないのだけれど、たまらなく感動した。

あとでＴＲＡＳＨ－ＵＰ！！（バサラにて発売中）に載っているアレックス・コックス監督のインタビューを見たら、本編中に出てくる映画作品には間違いもいくつかあるそう。役者ってのは名前が正しいか間違いかなんて気にしないで映画の話を延々するそうです。
まだまだ勉強しようと思った。

藤川